今回は、ちょっと大げさかもしれませんが、タイトルの「食べる力は生きる力」という言葉に改めて心を動かされたお話です。
人には、生まれてから生涯を終えるまで方法は色々ありますが、食べるという営みがあります。
まず、人生初めての食べる儀式は「お食い初め(おくいぞめ)」がありますね。
「食べ物に一生困らないように」という願いを込めて、生まれてから100日頃の赤ちゃんに祝い膳を用意し、初めて食べ物を食べさせる儀式です。
実際には大人が箸で口まで持っていって食べる真似をするのですが、この「人が生きていく為に食べる初めの一歩」は遠く平安時代から始まって現代にまで続く家庭行事だそうです。
すごいですね!
やがて離乳食が始まり順調に生きる力を育んで、学校給食が始まると学校教育として食育に力を注ぎ、その後はときどき順調すぎて(?!)ダイエット等々...、
様々な経験して生涯を終える頃には刻み食、流動食となるのでしょうか。
ところが、病気や老化の影響で「食べられない」ことで困るタイミングがやってくることもあります。
そうなると、だんだん生きる力はもちろん、生活の楽しみも失うばかりか、いのちに関わる危険もあります。
昨今では病気ではないのにも関わらず、「食べたい」とは思うけど「食べられない」、
また、「食べる気がしない」いわゆる『フレイル』体が弱ってきて「食」の問題を抱えている人がコロナ禍で増えているそうです。
特に一人暮らしや高齢の方は何となく外出を控えるのに慣れてしまい、たまに外食しても黙食、家では孤食になりがち、これでは生きる力になっているのかどうか...。
以前Lebenに滞在されていたある方は、当時上記のようなご様子でした。
「何も要らない。食べたくない。欲しいものはない。」
水分だけは取られていましたが、何か口から食べれるものはないかと嗜好を聞いたりしながら会話を続けている中でふと、
「アイスクリームなら食べれるかな」独り言のように言われたので即、コンビニに走り買ってきて食べていただきました。
初めて笑顔が見れた瞬間は私まで嬉しくなり、気力を持ち直すきっかけに繋がる、と実感した出来事でした。
これもLebenに来て下さったからこそできた事で、病院や施設ではできない事と自負しております。
Lebenでは決まったお食事の提供は行なっておりません。
それは「元気になって自宅に帰っていただきたい」というコンセプトのもとに入居者様の好みや気持ちを伺い、一階クリニックのドクターに相談・指示を仰ぎ、お一人お一人に合わせた食事方法を柔軟に提案しているからです。
そして提案して終わりではなく、体調に合わせて食事方法も変えて行ったり、食への意欲が湧くよう工夫をします。
元気に食べられるようになって自宅へ帰っていただくのが私たちの目標の一つです。
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